幻の100トン戦車 お100
スクラッチビルド
製作記録
40年程前のまだ20歳代だったと記憶しています。雑誌「丸」に一台の戦車の記事が
挿絵と側面図とともに掲載されていていました。それが旧帝国陸軍にて一台だけ試
作され敗戦直前ガスにより切断スクラップされた幻の100トン 戦車でした。その後何
年か過ぎ昭和51年池田書店から発売された小橋良夫著 「太平洋戦争 日本の秘密
兵器-陸軍編」48頁に記事と前記の挿絵と側面図がありました。「幻のマンモス戦車
試製100d 超重量戦車大イ車」 の見出しとともに試作から終焉までの経緯が6頁に
わたり解説されていました。何時かこの戦車の模型を作ってみたいと思いましたが、
巨大になるキャタピラと転輪がネックになり何時のまにか忘れていました。記載され
ていた挿絵と側面図で、勝手ですがお借りしました。 .
近年ファインモールド社より発売された「五式中戦車」のキャタピラを使うことにより
製作できると思い、2013年1月より少しずつ作業を開始し1年が過ぎ少しずつ形が
出来てきたので製作状況を記載することにしました。 .
100トン戦車の要目
重量 | 100トン | |
全長 | 10m | 1/35 28.6p |
全幅 | 4.2m | 1/35 12.0p |
全高 | 4.0m | 1/35 11.4p |
履帯幅 | 90p | 1/35 2.57p |
前面装甲 | 75o | |
側面装甲 | 75o×2 | |
砲塔装甲 | 35〜75o |
使用した主な材料
ファインモールド 1/35 五式中戦車×2
ファインモールド 1/35 三式中戦車×1
タミヤ 1/35 九七式中戦車×2
タミヤ 1/35 M3軽戦車×2
タミヤ プラバン各種
個人的留意事項
1. 主砲 105粍×1、副砲 75粍×2、機関銃×3となっているが75粍砲は配置的に無理.
があると思えたので九七式中戦車の57粍砲(五式の37粍砲)に変更。
2. 下部転輪が側面図ではシーソー式4組8個だが2個増やし10個とした。
3. 懸架装置は縦置コイルスプリングとの情報もあるが詳細が不明のため、五と九七式.
の横置コイルスプリングを使用した。
4. 主砲、副砲をそれぞれ九六式149粍榴弾砲、百式37粍砲に換装可能にした。
1. 車体製作
五式より移植 主砲塔基部、吸排気ルーバ、ハッチ、下部転輪基部、
縦席前面等薄茶部分、誘導輪基部、起動輪基部。
九七式より移植 吸排気ルーバー、前部機関銃基部、後部箱側面、 .
下部転輪最前部、上部ハッチ、下部転輪最後部。
三式より移植 左側上部機関銃基部。 .
後日右側上部機関銃基部追加(資料にはなし)。
車体ボルトは各キットより移植。白色部分はタミヤプラバン各種使用。
下部転輪最前部、下部転輪最前部は独立懸架とし九七式の転輪を
二枚重ね隙間をパテ埋めし増厚。 .
車体後部は資料が皆無のため完全な想像の産物で五式の後部扉を使用。
主砲 105粍砲基部と防盾は三式を横に拡大し使用、展望塔は五式を使用。
主砲 九六式149粍榴弾砲に換装した形は想像の産物。
後部機関銃はハッチと兼用。
副砲 九七式57o砲の場合
副砲 百式37o砲の場合
副砲は75o砲との記述があるが、三式75o戦車砲の大きさから装着に
無理があると勝手に結論づけ97式57o砲か百式37o砲を装着する事と
し、砲基部は五式の副砲部分を使用したため同軸機関銃をそのまま取
付けたままとした。150o砲と併せ私の勝手な想像装備。
副砲塔のハッチは九七式の砲塔ハッチの上部だけを使用した。
転輪等関連
起動輪 五式の起動輪にスペーサを入れ幅を広げた。
誘導輪 五式の誘導輪をそのまま使用。
下部転輪 シーソー式ボギーを含め五式をそのまま使用。
上部転輪 九七式の上部転輪の大型を使用。
マフラー 九七式のマフラーを縦横に貼り合わせ大型にした。
懸架装置は五式中戦車と九七式中戦車を組み合わせて製作した。
キャタピラと側面垂下防弾装甲。
五式中戦車のキャタピラ二台から138枚×2使用し、プラバン3mm×6mm
両側に貼付け幅広のキャタピラを製作。接着剤が流れ固定してしまった
箇所が数箇所でき、また車体に取付けるのが一苦労。
側面装甲板をプラバンと九七式中戦車のサスペンションのカバーを使っ
て両側二枚製作。
105mm砲、57mm砲使用。
150mm砲、37mm砲使用。
側面装甲、キャタピラ、転輪装着。
105mm砲、57mm砲使用。
150mm砲、37mm砲使用。
次回は塗装して完成させる。
塗装を行い取り合えず完成
車体上面右にも機関銃を独断で追加。
主砲塔は前後と左右にもうひとまわり大きいほうがバランス的に良い感じがする。
どうも主砲塔の位置も気になる。
製作者自身は主砲塔の位置に不満があり、あと6mm前進させる改造を予定。
車体後部は製作者の独断。
試作一輌だけのため塗装は迷彩にせず。
側面装甲板を取り外した状態。懸架装置は製作者の独断想像。
149mm榴弾砲、37mm砲使用状態製作者独断の想像型。
2024.03.13.